「ホームページを作りたいが、補助金は使えないか」というご相談をよくいただきます。結論から申し上げると使えます。ただし、多くの方が最初に名前を挙げる補助金は、実はホームページ制作が対象外です。
この記事では、2026年8月時点で各事務局の公式サイトに掲載されている内容をもとに、ホームページ制作に「使える補助金」と「使えない補助金」を整理します。金額・締切は必ず出典を添えています。
結論:ホームページ制作の本命は「小規模事業者持続化補助金」
ホームページ制作費を直接の補助対象にできる全国区の制度は、小規模事業者持続化補助金です。「ウェブサイト関連費」という区分があり、販路開拓のためのサイト制作・更新が対象になります。
熊本県内の事業者であれば、これに熊本県独自の上乗せ制度を組み合わせることで自己負担をさらに減らせる可能性があります。
ホームページ制作に「使える」補助金
1. 小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉
- 実施主体:全国商工会連合会/日本商工会議所
- 補助率:2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
- 補助上限:50万円(インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円)
- ウェブサイト関連費の上限:30万円(税込)
- 第20回の申請受付:2026年11月5日〜2026年12月15日 17:00
- 事業支援計画書(様式4)の発行受付締切:2026年12月4日
対象となるのは「販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システム等の開発・構築・更新・改修・運用に要する経費」です。商品を売るためのサイト、問い合わせを増やすためのサイトが該当します。
2. 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉
- 補助率:2/3
- 補助上限:200万円(インボイス特例で+50万円)
- ウェブサイト関連費の上限:30万円(税込)
- 第4回の申請締切:2026年12月15日 17:00
創業間もない事業者向けの枠です。上限額が大きいぶん、ホームページ以外の設備投資と合わせて申請しやすくなっています。
3. 熊本市DX環境整備事業補助金(熊本市内の事業者)
- 実施主体:熊本市
- 補助率:1/2以内 補助上限:40万円
- 対象:ホームページの製作費・改修費(構築費用や委託料)
- 対象外:月々のサーバー使用料などの継続費用
- 2026年度分は予算額に達したため、2026年7月31日をもって受付終了
ホームページ制作費が正面から対象になる、熊本市内の事業者にとって使いやすい制度でした。次年度の募集開始に備えて、見積もりと構成案を先に用意しておくことをおすすめします。
4. 熊本県 中小・小規模事業者生産性・売上げ向上後押し事業補助金【第2弾】
- 実施主体:熊本県
- 位置づけ:国や県の補助金を活用した際の自己負担分に上乗せして補助する制度
- 1件あたり最大200万円
- 受付期間:2026年2月2日〜2027年1月29日(予算額に達した場合は早期終了)
たとえば小規模事業者持続化補助金〈通常枠〉に採択された場合、補助率7/30・上限175,000円が上乗せされます(申請要領ver.3の記載例)。熊本県の事業者だけが使える実質的な優遇ですので、持続化補助金とセットで検討する価値があります。
ホームページ制作に「使えない」補助金
デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)
「IT導入補助金でホームページが作れる」という案内を見かけますが、これは誤りです。
まず前提として、IT導入補助金は令和7年度補正予算事業から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました(中小企業庁 2026年3月10日公表)。
そのうえで、公式のよくあるご質問(通常枠版)には次のように明記されています。
ホームページ制作(ECサイト制作含む。)は補助対象外です。
さらにITツール登録要領でも、ホームページ制作・サイト制作・WEBアプリ制作等の制作ツールにかかる追加開発費用は登録対象外とされています。この扱いは通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠のいずれでも共通です。
参考までに、デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の条件は補助率1/2以内・補助額5万円以上450万円以下、1次締切は2026年8月25日17:00です。業務ソフトの導入には使えますが、ホームページ制作には使えません。
持続化補助金でホームページを作るときの4つの注意点
1. ウェブサイト関連費だけでは申請できない
公募要領に「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」と明記されています。チラシ制作(広報費)、展示会出展、機械装置など、他の販路開拓の取り組みと組み合わせる必要があります。
2. 補助されるのは最大30万円まで
補助上限が50万円でも、そのうちウェブサイト関連費として認められるのは30万円(税込)が上限です。100万円のサイトを作っても、補助されるのはこの範囲内にとどまります。
3. 補助事業期間内に「公開」まで終わらせる
対象外の例として「補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ」が挙げられています。制作が間に合わず公開できなかった場合、その費用は補助されません。スケジュールに余裕を持った発注が必要です。
4. 50万円(税抜)以上のサイトは処分制限財産になる
50万円(税抜)以上の費用で作成・更新したウェブサイトは「処分制限財産」に該当し、一定期間、処分が制限されます。作り替えを前提とした短期運用には向きません。
申請から入金までの流れ
- 商工会・商工会議所に相談し、経営計画を作成する
- 事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する(第20回は2026年12月4日締切)
- 申請する(第20回は2026年12月15日 17:00締切)
- 採択・交付決定を待つ
- 交付決定後に発注・制作・公開する
- 実績報告書を提出する(第20回は2028年4月10日締切)
- 補助金が入金される
もっとも多い失敗が「交付決定前に発注してしまう」ケースです。決定前に契約・支払いをした費用は対象外になります。制作会社に見積もりを取るところまでは先に進めて構いませんが、正式な発注は交付決定を待ってください。
補助金を使う場合の制作会社の選び方
補助金を使った制作では、通常の制作以上に次の3点が重要になります。
- 見積書の書き方に対応できるか:補助対象経費と対象外経費が分かれて記載されている必要があります
- 公開までのスケジュールを守れるか:期間内に公開できなければ補助されません
- 実績報告に必要な書類を出せるか:契約書・請求書・振込控・成果物の証拠が揃うこと
見積金額が妥当かどうかを判断する材料として、ホームページリニューアルの費用相場 もあわせてご確認ください。
弊社では熊本県内を中心に、補助金の申請時期に合わせたサイト構成のご相談を承っています。制作の進め方は 熊本のホームページ制作・リニューアル にまとめています。
まとめ
- ホームページ制作に使える全国区の補助金は小規模事業者持続化補助金(ウェブサイト関連費・上限30万円)
- デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)はホームページ制作が対象外
- 熊本市の事業者は熊本市DX環境整備事業補助金(上限40万円)が使える。ただし2026年度は受付終了
- 熊本県の事業者は県の上乗せ補助を組み合わせられる(2027年1月29日まで)
- 交付決定前の発注は対象外。期間内に公開まで終わらせること
本記事は2026年8月18日時点で各事務局の公式サイトに掲載されていた内容をまとめたものです。補助金の要件・金額・締切は公募回ごとに変更されます。ご申請の前に、必ず各事務局の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
補助金の対象になるか、締切までに公開が間に合うか。判断に迷われている場合は お問い合わせ からご相談ください。熊本県内の事業者様を中心に対応しています。
出典
- デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト(よくあるご質問/ITツール登録要領/通常枠公募要領)
- 中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領公開について」(2026年3月10日)
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回 公募要領 第8版(2026年7月21日)
- 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉第4回 公募要領 第8版
- 熊本市「令和8年度 熊本市DX環境整備事業補助金」
- 熊本県「【第2弾】熊本県中小・小規模事業者生産性・売上げ向上後押し事業補助金」申請要領ver.3